おはようございます。cooperです。
今朝は、ハンス・ロスリングさん著の「FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介します。
2019年発行のベストセラーですね。
分厚くてなかなか手が出ませんでしたが、やっと読むことができました。
【読もうと思ったきっかけ】
・世界的なベストセラーだったから
・統計学について新たな知見が得られると思ったから
【学んだこと(要約)】
・思い込みを捨て、データと感情を切り離す
本書は、ハンスさんが「世の人が世界のことを知らなすぎる」ことに危機感を覚えたことをきっかけに制作されました。
以下のような質問(全13問)から本書は始まります。以下2問は例題ですので、良ければ考えてみてください。
- 世界で最も多くの人が住んでいるのは次のうちどこでしょう? A.低所得国 B.中所得 C.高所得
- 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年間でどう変わったでしょう? A.約2倍になった B.あまり変わっていない C.半分になった
いかがでしょうか?
それぞれの問いの答えは、B、Cです。
各種報道等で、私たちは悲観的・ドラマチックな内容を多く耳にします(そっちの方がアクセス数が延びるからです)。
そのせいで、私たちは「世界はより貧困に、かつ格差は大きくなる一方である」と思い込んでいるということです。
実際は、良い状況と悪い状況が両立している、つまり極端にどちらに傾いた意見は危険だと仰っています。
私も大きな勘違いがありました。
これと似たようなことが、あらゆるところで起きていると捉えなければなりません。
以下に著者がまとめた「陥りやすい10の思い込み」と、これを抑える方法(FACTFULNESS)を列挙します。
- 分断本能(世界は分断されている)→大半の人がどこにいるかを探そう
- ネガティブ本能(世界はどんどん悪くなっている)→悪いニュースの方が広まりやすいと覚えておこう
- 直線本能(世界の人口はひたすら増え続ける)→直線もいつかは曲がることを知ろう
- 恐怖本能(危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう)→リスクを計算しよう
- 過大視本能(目の前の数字が一番重要だ)→数字を比較しよう
- パターン化本能(ひとつの例がすべてに当てはまる)→分類を疑おう
- 宿命本能(すべてはあらかじめ決まっている)→ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
- 単純化本能(世界はひとつの切り口で理解できる)→ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えよう
- 犯人捜し本能(誰かを責めれば物事は解決する)→誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
- 焦り本能(いますぐ手を打たないと大変なことになる)→小さな一歩を重ねよう
私たちは日頃から、様々なデータ・情報にさらされています。
時に、作成者側の意図で恣意的に印象操作されたようなデータも目にします。
これらと正しく向き合うためには、「データと感情を切り離して考える」ことが何より重要だと思います。
私自身は、製造業という仕事柄、データ分析をする機会は多くあるように感じます。
製造現場では機器のデータ採取を定期的に行い、不具合の有無を確認します。
この数値を正しく見極めることが、トラブルの未然防止につながります。
ただし、本書の内容とは逸れるのですが、「データに表れない不調」のようなものもあります。
例えば、「機械の作動音がいつもと違う」といったような、数値化できないことです。
大抵、こういった現場からの意見は的を射ていることが多く、この進言のおかげで幾度となく助けられてきました。
よって、本書で述べられていることに加え、「するどい勘・嗅覚」を働かせることが、より適切な判断につながることも覚えておきたいと思います。
本日もありがとうございました!