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「明日が2つになる」

おはようございます。cooperです。

今朝は、瀬尾まいこさん著の「そして、バトンは渡された」という小説をご紹介します。

最近紹介させていただいている小説は、過去の「本屋大賞」受賞作品が多くなっています。自分で良書を見つけられる自信がないのと、やはり本を売る立場の人が勧める本というのは間違いがないのでは?という短絡的な考えによるものです。本作は2019年の本屋大賞を受賞された作品です。

私が拝読させていただいているブロガーさんが、「自己啓発本ばかりではなく小説も読むこと。小説は感性や美意識が磨かれるため、社会生活をストレス無く過ごす送るためにも大切。」と書かれており、非常に腹落ちしました。

あらすじ

本書は、主人公である女子高生の優子とその家族の物語です。これまでに彼女は、親の離婚、再婚を経て4回苗字が変わっています。作中の時間軸の中で言うと、現在、優子は父親である「森宮さん」と同居しています。この方は、血はつながっていないものの、優子に深い愛情を注いでくれています。本作は、これまでの親達との関わりを通して、改めて「家族」という存在を世に問うた作品となっています。

書評・所感

親の離婚なんて、一生に1回の経験でも大変なのに、優子は4回も経験しており、そのどれもを受け入れているように見えます。しかし、小学校の時の、海外転勤することになった本当の父親との別れ(実母は死去しているので、ここで血のつながりのある親との関係はなくなる)は、後悔もあるようにその心情を描かれていました。

ここで感じたのは、この大事な決断を子供にさせてはいけないということです。この時、優子は友達との関係を優先して、母親との暮らしを選びます。しかし疎遠になる友達との関係により、その時の自分を責めるようになります。

この描写が非常に切なくて、親の責任というものを感じられずにはいられませんでした。

もう一点、これは新たな視点ということで非常に感動したのですが、「子供ができると明日が2つになる」という表現です。以下、森宮さんとの会話の引用です。

森宮さん「梨花(実父の再婚相手かつ森宮さんの結婚相手)が言ってた。優子ちゃんの母親になってから明日が2つになったって。」

優子「明日が2つ?」

森宮さん「そう。自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が2つにできるなんて、すごいと思わない? 未来が倍になるなら絶対にしたいだろう。それってどこでもドア以来の発明だよな。しかも、ドラえもんはマンガで優子ちゃんは現実にいる。」

これまで私は、子育てをある種「義務」と感じ、その責務を全うしなければならないと思っていました。しかし、本当の親でないからこそ、この自分達なりの視点で深く子供と関わろうとする2人の考えを知り、私ももっと子育てを楽しもうと思いました。

「明日が2つになる」。良い物語に触れることができました。

 

本日もありがとうございました!