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おはようございます。cooperです。

今朝は、本多静六さん著の「私の財産告白」をご紹介します。

著者プロフィール

本多静六(せいろく)さんは、1866年(慶応2年)、埼玉県生まれ。東京山林学校を首席で卒業後、ドイツで国家経済博士号を取得し、東大農学部の助教授となる。研究生活のかたわら日比谷公園の設計や明治神宮の造林など大きな業績を残しています。

また独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築く。1927年の定年退官を期に、全財産を匿名で寄付(!?)。その後も、「人生即努力、努力即幸福」をモットーに働学併進の簡素生活を続け、370冊余りの著作を残しています。

書評

本書は、1950年に刊行された書籍を編集し、2005年に新たに出版されたものです。

半世紀も前の内容にも関わらず、多くの学びがあり、身が引き締まる思いになりました。

本多式貯金法とは

本多さんは、25歳の時に大学教官として働いていましたが、寄食者含め9名を養うことは金銭的に難しく、蓄財に力を入れました。

ここで、実行したのが、本多式「四分の一天引き貯蓄法」というものです。以下引用です。

苦しい苦しいで普通の生活をつづけて、それでもいくらか残ったら…と望みをかけていては、金輪際余裕など出てこようはずはない。貧乏脱出にそんな手ぬるいことではとうてい駄目である。いくらでもいい、収入があったとき、容赦なくまずその四分の一を天引きにして貯金してしまう。そうして、その余の四分の三で、いっそう苦しい生活を覚悟の上で押し通すことである。これにはもちろん、大いなる決心と勇気が必要である。しかも、それをあえて私は実行したのである。

 

貯金生活を続けていく上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。自分のネウチが銀もしくは銅でしかないのに、暮らしのほうは金にしたい。金メッキでもいいから金に見せかけたい。こういった虚栄心から多くの人が節倹できないのである。銀はどうせ銀、銀になりに暮らせばいいのであるが、さらに人生をより安全にし、生活をより健全にしようとするならば、むしろ歩退いて(事実は一歩を進めて)実力以下の銅なり、鉄なりの生活から出発していくべきだろうではないか。

 

しかもこれ(蓄財)には、少しのムリもなかった。自ら顧みて、ヤマしいところなぞはもちろんない。否かえって、経済的な自立が強固になるにつれて、勤務のほうにもますます励みがつき、学問と教育の職業を道楽かして、いよいよ面白く、人一倍に働いたものである。つまり、この身分不相応な財産のすべては、職業精励の結果、自然に溜まり溜まってきた仕事の粕(かす)だったのである。

 

あまりに素晴らしい言葉が並んでいるので、引用ばかりになってしまいました。

社会的な地位を得ているにもかかわらず、ここまで徹底して倹約に努め、仕事に邁進できる本多さんの姿勢に深く感動しました。

さらに本多さんは、大学奉職中に、同僚より辞職勧告を受けた経験を掲載しています。

簡単に言うと、「大学職員が持つには大きすぎる財産を築いた本多さんに対して、何か悪い事業などに手を染めているのではないか」という疑惑が出たということです。

本多さんは、この同僚に対して、自身の家計簿の全てを見せることで、身の潔白を証明してみせました。

しかも、後にこの事件に対して本多さんは、「当時は自身の言動にも驕りがあって、周囲の怒りを受けるのも当然だ」と顧みています。

この境地はもはや神だと思います。

素晴らしい言葉は多々ありますが、最後に本多さんの投資鉄則の一つをご紹介します。

いかなる時代、いかなる場合にも、勤倹貯蓄が資産蓄積の基礎をなし、工夫と研究を積んだ投資が、これを倍化していくことには変わりはない。しかも時勢は常に変化を繰り返し、昨日の非は今日の是、今日の是はまた明日の非に動くものであるから、この動きを巧みに利用して、いよいよさらに大を成さしめる努力を怠ってはならない。

これに対して私は、「好景気、楽観時代は思い切った勤倹貯蓄」(すなわち金を重しとする)、「不景気、悲観時代には思い切った投資」(すなわち物を重しとする)という鉄則を樹てて直進することを人にもすすめている。

間違いなく、私が読んできた投資本の中で上位に食い込む作品になると思います。昔の本ですが、現代語に上手く修正されて読みやすいと思います。

本日もありがとうございました!

 

私の財産告白

私の財産告白

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