まったり米国株投資で51歳までにFIREを達成するブログ

普通のサラリーマンパパが投資と趣味を両立させて経済的自由を手に入れる

何者(評価:★★★★☆)

おはようございます。cooperです。

先々週から、群馬、函館、大阪と出張が続いており、更新ができませんでした。ホテル生活は最初は楽しいのですが、睡眠や食生活など生活リズムが崩れることもあり、たまにで良いなぁと思う今日このごろです。

今朝は朝井リョウさんの著作「何者」をご紹介します。

あらすじ

主人公の拓人は、就職活動時期を控えた大学生で、学生サークルで演劇の脚本を元大学生のギンジと制作していたのですが、仲違いして解散してしまいます。そして、拓人とルームシェアをするバンドマンの光太郎、光太郎の元恋人で拓人の片思い相手の瑞月、拓人の部屋の上の階で同棲中の理香と隆良、この5人が共に就職活動に向き合い、葛藤する様子を描いた作品です。

所感など

本作は、現代の若者の心の葛藤に触れることができる作品だと思います。これまで中学生、高校生、大学生と次々に決められたレールを歩いてきた彼らが、社会に出て「何者」になることを強いられる。

彼らは、家庭の事情でエリア職に留まらざるを得ない者、拘りはないのに就職活動だけが得意と自身を卑下する者、プライドが高く空回りしている自分に気づき嫌気が差している者、観察者としての立場を崩さない者など、様々な形で表現されています。またSNSによるつぶやきで本心を吐露する様子ついても、リアルに描かれています。自身のことを勝手につぶやくツールであったはずなのに、それが他者の批判に向けられる様子は、現代のコミュニケーションの難しさを物語っています。

私の就職活動を振り返ると、上手くいかない時には自身が否定された気になり、憂鬱な気分を味わった覚えがあります。圧迫面接を受けた企業の商品は、未だに買わないようにしています。笑

就職活動の結果、たまたま大企業に就職できたのですが、いきなり僻地に飛ばされて親を泣かせてしまったので、何が正しいのか分からなくなった記憶があります。そして、入社15年程で色々な地方を転々とした現在、やっと親元に近いところに住むことができました。(また近いうちに異動となる可能性はありますが)

本作のラストには、裏アカのつぶやきがバレてしまうことで、溢れ出した感情をぶつけ合うシーンがあります。このクライマックスに心を揺さぶられました。就活真っ只中の方や、親族に就活をしている方にはあまりオススメできませんが、転職や第二の人生に向けては、とても参考になる作品だと思いました。

それでは本日もお仕事がんばりましょう。ありがとうございました!