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グッド・バイ(評価:★★★★☆)

おはようございます。cooperです。

今朝は、太宰治さんの著作「グッド・バイ」をご紹介します。

「走れメロス」や「斜陽」などの名作を残した著者ですが、1945年に玉川上水に入水自殺を図り、39歳で亡くなられています。本作は、4つの短編で構成されており、4作目の「グッド・バイ」については未完の状態で発行されています。

あらすじ・所感など

4つの作品は、以下のストーリーで構成されています。

①②「父」「おさん」→敗戦後、家庭を顧みない夫と子供を賢明に支える妻という、ほとんど救いようのない現実を描いた作品。

③「饗応婦人」→他者へのサービスに身を減らす未亡人の切迫した姿を描いた作品。

④「グッド・バイ」→絶世の美女を仮の妻役に雇い、かつての10人の愛人たちに別れを告げに歩いていく作品。(本作は、1人に告げた時点で話が途切れてしまっている。)

どの作品も身体の中をえぐられるような、後味の悪さを感じる作品でした。短編ながら、まさに太宰治の真骨頂を見せつけられたという印象を受けました。

私は意外と③の饗応婦人に心を打たれました。未亡人である妻が、夫がかつてお世話になったという先生やその仲間に接待を続け、人生に疲弊していくという物語です。

この物語で著者は何を伝えたかったのか…。ヒトとは何なのか、どうあるべきなのかを考えさせられる作品でした。

④のグッド・バイは、本当に続きが読みたかった。仮の妻役の女性は、美貌を持ちながらも、その生活ぶりは破綻しており、その様子に振り回される主人公の様子は喜劇そのものでした。

太宰治は、自身の人生や未来に悲観して自殺をしたのか…と思い込んでいましたが、もしかすると違うのかも…と思わせる遺作でした。人間失格や斜陽を読んで太宰治を理解した気になっていましたが、本作を読んでより太宰好きが増したような気がします。

短編で非常に読みやすいので、ぜひ読んでみていただきたいと思います。

本日もありがとうございました!