おはようございます。cooperです。
今朝は、高野秀行さん著の「未来国家ブータン」をご紹介します。
本書は、著者の高野さんが生物資源の研究を目的にブータンを訪れ、その中で独自の視点でブータンという国を解き明かしていくお話しです。
ブータンについて
面積:約38,394km2
人口:約69.6万人
首都:ティンプー
国語:ゾンカ語
政体:立憲君主制
元首:ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク国王(第5代)
通過:ヌルタム(1ヌルタム=1.6円)
話は、雪男(イエティ)の伝説を追うために国内を冒険する中で、時には高山病や暴飲暴食により死にかけながらも(笑)、出会う人や自然、文化と触れ合いながら展開されていきます。
ご存知の通り、ブータンは「世界でいちばん幸せな国」と言われています。
これは、国王自らがGNPよりもGNH(国民総幸福量)を優先して、政治を行っていることが起因しています。
こんな記述もありました。
この国では国王は「尊敬の対象」どころではない。日本で言うならジャニーズ事務所所属の全タレントと高倉健とイチローと村上春樹を合わせたくらいのスーパーアイドルである。
国王が、常に国民のために最適な施策を考えてくれると思えれば、国民は安心して国に全てを委ねられます。
今の日本のように、何もが自由で、無駄に選択肢が多い状況では、人は不幸を感じると述べられています。これは非常に賛同できました。
また高野さんはブータンのことを「未来国家」と呼びます。ある人は「周回遅れのトップランナー」などと呼ぶようです。
もともとブータンは長らく鎖国を続けていたために、とてつもなく近代文化が遅れたようです。その間に、特に先進国においては環境保全やらロハスなどと言った「経済より国民の幸せが大事だ」といった、最先端思想が登場したがために、一周余計に回った結果、ビリを走っていたブータンに並ぶ形になってしまったと表現しています。
ブータン、いつか訪れてみたい国の1つになりました。辺境の地を旅した気分になれる一冊です。
本日もありがとうございました!