おはようございます。cooperです。
今朝は、西加奈子さんの著作「地下の鳩」をご紹介します。
あらすじ
大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く吉田は、素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく。
オカマバーを営む「ミミィ」は、ある夜、客に殴りかかったことをきっかけに、昔自身が生まれ育った地元に戻り、タイムカプセルを探す…。
(本作は「地下の鳩」と「タイムカプセル」の二本立てです。)
感想
主人公の吉田は、惚れた女性「みさを」に好きなだけ食べさせることで、自身の自尊心を満たします。しかしその金も底を付き、涙ながらに「もう金がない」と言った言葉が印象的でした。西さんの描く、登場人物の人間臭さにはいつも感銘を受けます。
またあまりストーリーとは関係ないのですが、みさをのチャーミングポイントである眼の描写も気になりました。「両目の大きさがぜんぜん違うのが魅力的」という表現をしていたのですが、これが私の妄想を大きく掻き立てました。(Google先生に聞いてみたら、俳優の佐藤健さんや高畑充希さんなどの画像が出てきて、なるほど!と思いました。二人とも好きな俳優さんですが、今まで全然気づきませんでしたね。)
ただこれまでもあまり良い人生を送っているとは言えない登場人物に、少しくらいはハッピーエンドを期待したかったなと思います。それだと「らしくない」のだろうか…。
ということで、評価は星3(★★★☆☆)としました。
あとがき
「もう金がない」の心境は、どのようなものなのでしょうか。愛する人にお金を使い、分かっていながらも使い果たしてしまう。そんな狂気じみたこと、私には経験できないのかもしれませんが、お金を使うという行為の何か尊さのようなものを窺い知ることができたような気がします。
本日もありがとうございました!